古希の三人娘(第22回)
第22回(12/24)
その悠太に真央はこう答えた。
「お母さんはもぉー七十、今は何とかひとりで暮らせてるけど、いつ何どき何が起きてもおかしくない年、その証拠につい最近、友達のなかで一番元気だったお母さんと同じ年、明枝さんが病気になって、あっという間に亡くなってしまったのよ」
「明枝さんって、俺と同じ年の息子さんがいるひと?」
「そぉーだわよ」
結婚後の悠太は常に嫁が背後にいるので、ゆっくり話ができなかった。この際、真央は悠太と話ができることがうれしくてならない。
「人間誰でも最後はそうなるけど、明枝さんも最後は車椅子でおしめだったそう。あんた、お母さんだって近い将来そうなる可能性が大なのよ!」
「へんなこと、言わないでくれよ」
「電話でいくら話してもらちがあかない。お母さん、近いうち、あんたのお嫁さんと会って話をしたい、いい?」
「いいけど」
真央は武者震いした。
たったひとりの子供に人生最大の難問題が生じたのだ、ここは敵陣に押し入る覚悟が必要だろう。
一方の言い分だけ聞いていても真実がわからない、ここは双方の言い分を聞くべきだろう。
悠太は父親の勝次とはすべてにおいて正反対で、大雑把で、大らかで、嫌味のない人間で、ひとに好かれる。
(続く、第23回)
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